第274回 尾ノ上 幸生

「伝えることの大切さ。」
誰しもが物事を天秤に掛けて考えたことがあると思う。いわゆる2択。
研究によると、人間の最初の直感は90%の確率で当たることが科学的に証明されているらしい。そんなことが分かってたならもっと早く教えてくれって話。
2016年1月4日。
自分には伝えるべきか伝えないべきか、そんな2つの選択肢があった。次の日に全国高校サッカー選手権準々決勝を控えた日のことである。有難いことに自分達に期待し、多くの記者が練習会場に集まってくれた。しかし取材を受ける仲間の表情や態度、練習の雰囲気からチームに慢心が生まれている、そんな感じがした。キャプテンをやっていればなんとなく嫌な空気も分かってしまう。
なら伝えればいい。
「浮かれるな、まだ何も成し遂げていない」と。
そう思うかもしれない。
自分も最初はそう思った。
けれども自分は3年間幾度となく立ちはだかる壁を共に乗り越えてきた仲間を心の底から信頼していたし、マイナスな発言をすることによってチームの雰囲気を悪くしたくなかった。他にも自分なりに色々考えたが、この2つが決め手となり言わないことを決めた。
2016年1月5日。
チャンスは2度もこなかった。
過去に負けたことのない相手に敗れ、
高校サッカーが終わった。
今までの努力や積み上げてきたものが
自分のせいで一瞬にして消えた。
この日ほど自分自身を恨み、
責めたことはない。
たった一言を言わなかっただけなのに
その決断がサッカー人生だけでなく、
生きてきた18年間で1番の後悔となった。
それは今も変わらないし
きっと死ぬまで変わらないと思う。
自分の辛い過去を知ってもらいたいわけではない。皆んなにも忘れられない辛い過去はたくさんあると思う。
この経験から伝えることや発信することの大切さを少しでも見つめ直してもらえたら嬉しい。まあいいかで終わらせず素直な気持ちを伝え続けてほしい。1つの発言がチームや誰かに気付きを与えるかもしれないから。たった一言が一生の後悔になるかもしれないから。
もちろん口だけではダメで、行動やプレーで示さなければならない。そんなのは百も承知である。ただ発信することで仲間をいい方向に取り込み、行動でも示せたらもっと良いよね。
今シーズンどこにも負けない
皆んなが誇れるチームを共に創ろう。
カテゴリー: 青山学院大学サッカー部部員   パーマリンク

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